パイプカット(精管結紮術)の術式
パイプカットは、精子を精巣から精嚢へ届ける管である精管を縛って切り取る手術です。精嚢に精子が行かなくなるため精液に精子が存在しなくなり、妊娠の可能性がなくなります。ただし術後もしばらくは精嚢に残った精子が出るため、精液検査を受けて精子がゼロになったことが確認されるまでは避妊の必要があります。
精子を送る精管は左右にあり、その2本を処置する必要があるため、皮膚の切開も2ヶ所に行います。切開と入っても3~4㎜の小さな穴のようなものであり、陰嚢の皮膚は痛みを強く感じる場所ではないため、局所麻酔でほとんど痛みなく手術を行うことができます。この切開した穴から精管だけを露出させて結紮し、切断して戻します。
精管の遮断には、結紮と切断によるものだけでなく、クリップで挟んで切断する手法や、電気メスで精管を焼き、凝固させる手法もあります。
手術の所要時間も麻酔を含めて15分程度と短いため、体への負担が小さく、術後に腫れや痛みが強くなることもほとんどないため、日帰りで受けられます。
縫合は1針であり、自然に抜ける糸を使用するため抜糸も必要ありません。
手術後は翌日から患部を濡らさないようにしていだければシャワーは可能です。運動や飲酒旅行などは術後1週間ほど避ける必要があります。